下町だよりBLOG
不動産小口化商品とソーシャルレンディング
2021年7月3日皆さんこんにちは!
不動産特定共同事業を含む資産運用についての情報をお伝えしています。
今回は、「リスクをとる」の予定でしたが、
「不動産小口化商品とソーシャルレンディング」についてお伝えします。
下の表は、不動産小口化商品(以下、小口化商品)とソーシャルレンディング商品
(以下、SL商品)の違いを簡単にまとめたものです。
小口化商品もSL商品も、インターネットを通して募集を行うなど、共通点もありますが、
似て非なるものです。
不動産小口化商品 | ソーシャルレンディング | |
法律 | 不動産特定共同事業法 | 金融商品取引法 |
投資の対象 | 対象不動産 | 資金需要者の事業 |
ガバナンス | 直接的 | 間接的 |
情報開示 | 事業者の判断で可能 | 借入人の同意も要する |
事業者の出資 | あり | なし |
小口化商品とは、『下町の大家さん』のように不動産特定共同事業法(以下、不特法)に基づく不動産投資商品です。つまり、特定の不動産を多数の投資家でお金を出し合って購入し、賃料収入や売却益を投資額に応じて出資者に分配するしくみです。
資金の流れは、
出資者⇒不動産小口化商品事業者⇒特定不動産への投資となります。
事業者は投資物件の所有権を有し、ガバナンスを直接働かせます。
投資対象物件の情報は重要事項説明書で詳細に説明されますが、募集段階でも物件の情報をある程度取得できます。これらの情報から、投資に対する配当は妥当であるかの判断もできます。
また、優先劣後方式により、事業者も劣後出資を行い、投資家の資本の毀損の可能性を小さくしています。
これに対して、SLは、融資(貸付)型クラウドファンディングともよばれ、インターネットを用いて投資者からの出資を集い、ファンド業者を通じて企業等に貸付けます。
資金の流れは、不動産小口化商品とは異なり、
出資者⇒SL事業者⇒資金需要者⇒資金需要者の事業への投資となります。
つまり、SLは資金需要者の事業への融資であり、SL事業者は資金需要者の動きを完全に制御することはできません。
SL商品から投資案件を選ぶときに、貸し倒れが発生した場合の保証を確認することが重要です。保証の手段として資金需要者の保有不動産に担保権を設定する場合が多いです。
しかし、貸付額以上の評価が付いたものでないと、貸し倒れが起きたときに資金を満足に回
収できない可能性が高くなります。そこで、担保の力を見る『LTV』という言葉があります。
LTVとは、”Loan To Value(LTV)”の略語で、次の式で求められます。
LTV=借入金額÷担保の資産評価額×100
LTVが低いほど、担保としての価値が高く、資金回収の可能性も高くなりますが、不動産評価額はその時の市況などの影響で変化し、価値は絶対ではありません。
また、不動産価格が高額になるほど、資金の回収までには時間がかかります。
投資案件の安全性を見るうえでは、LTVの値が低い案件に投資するのが基本ですが、募集金額が大きい案件になるほど、資金回収が容易ではないことに注意すべきです。
また、貸金業法の規制により、資金需要者に関する具体的な情報は、投資家に対し『非開示』
とされています。その場合、出資者は資金需要者の事業の概略で判断するほかないわけです。
この『非開示』による匿名性を悪用した事件が続出し、監督官庁から行政処分を受けるSL業者も続出しました。
2019年3月、金融庁は「一定の条件下では投資家は貸金業者に該当しない」との公式見解を発表し、SL事業者は投資家に対し、資金需要者の情報を開示できるようになりました。
しかし、資金需要者に関する情報が非開示か、不十分な情報で済まそうとするSL業者が依然として存在します。
「リスク」のない投資はありません。しかし、「リスク」とはリターン(利益あるいは損失)
の振れ幅のことであり、「危険」という意味ではありません。
配当原資の根拠や資金の流れがあきらかでない等、不透明性が感じられる商品への投資は、どんなに予想配当率が高くても回避すべきであると思います。危険な取引では、配当どころか元本の償還すら困難な場合も考えられるからです。
大切なお金ですから、事業者から与えられた情報だけを信用するのではなく、その情報が信頼できるものであるかを自ら精査することも必要なのです。
次回は「リスクをコントロールする」についてお伝えしたいと思います。
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