下町だよりBLOG
SDGsが抱える問題点
2022年9月12日皆さんこんにちは!
前回は、SDGsの認知率について説明しました。
今回は、SDGsが抱える問題点、以下の5つの問題点を検証します。
1)SDGsの目標は、理想を掲げただけで終わってしまうのではないか
上記の6つのターゲットに共通しているものが、お分かりになりますか。
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
16 平和と公正をすべての人に
「ゼロに」「すべて」「みんな」「世界中」という状況は、努力すべきではあっても、実現するのは非常に難しいといえます。
このような実現困難な目標を掲げてしまうことにより、SDGsの目標は、理想を掲げるだけで終わってしまう恐れがあります。
また、17個の目標だけで、全ての社会問題を網羅しているのかという疑問もあります。
2)1人で解決できる問題がない
SDGsの目標は、どれをとっても、1人の人間が解決できる目標ではありません。
どんな起業家も活動家も1人では社会をよくすることは困難です。
周りの環境や人々を巻き込み、コミュニティを創っていかなければなりません。
3)数値指標は本当に妥当か
SDGsの各目標の中には、いくつかのターゲットがあります。ターゲットには具体的な数値指標が定められていますが、この数値が指標として妥当かが疑問視されています。
例えば、目標1では、ターゲット1.1に「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」と定められています。
ここでは、1.25ドル未満で暮らす人=極貧状況にある人としていますが、
1.26ドルで暮らす人々は「極貧」に入らず、支援の対象から外れてしまうことになります。
また、定められている数値指標を達成することで、本当に課題を解決したのでしょうか。
設定された数値の達成だけではなく、現状やその裏にある背景にも着目することが求められます。
4)ターゲットの言葉の定義は千差万別
地域や文化、国民性によって言葉の認識のすれ違いが起きやすいことも、SDGsに取り組むにあたっての問題点です。
例えば、目標6にある「安全な水」の定義は、地域によって異なります。
そのため、一つの対策が全ての地域に当てはまらず、個別に独自の対策を考える必要が出てきます。しかし、情報格差にある開発途上国では、技術や情報が足りないために適切な解決方法を見出せず、課題に迫ることすらできないかもしれません。
何をもって課題解決とするのかの定義も異なり、他の国や国連の機関が解決に介入することも難しい状況になってしまいます。
5)取り組むのは有志だけ
SDGsは、国連が掲げた地球規模で解決に取り組まなければいけない目標です。
一方で、SDGsに取り組まなくても罰せられるわけではないため、SDGsを認知し、解決の必要性を感じている人しか取り組まなかったり、取り組む余力のある人しか取り組めない現状があります。
貧困や情報格差がある開発途上国の人々は十分に取り組めません。彼らの置かれている状況の改善は急務であるのに、当人たちが何もできない状況がなっています。
そのため、先進国が開発途上国の状況を把握し対策を考え実行していくというように捉えることもできます。
しかし、格差を縮めるのも一つの課題としてあるのにも関わらず、格差を理由として結局は先進国が主導権を握るのでは、格差がますます広がってしまうことになります。
以上、SDGsが抱える問題点でした。
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